土から造られた身体は死後腐敗して土と化すが、身体の存在はこれで終わるわけではない。 身体は、腐敗してもなお存在し続ける。つまり、土にまいた種のように、霊魂と再び結ばれる時を待って、 腐敗しながらも存在し続けるのである。その時が来れば、身体は復活し、永久に死ななくなる。 神によって特別に選ばれた人の遺体は、神の恩寵を豊かに宿していて腐敗せず、死んでいながら光栄なる復活の兆しを呈することがある。 このような遺体は悪臭のかわりに芳香を放ち、死毒のかわりに万病の平癒をもたらし、生命をもたらす。 このような遺体は、死んでいながら生きている。つまり、人間として死んでいるが、聖神を宿したものとしては生きているのである。 このような聖人の遺体は、人間が実に厳かで聖なる存在として神に造られ、贖罪の結果、その厳かで聖なる状態が再び人間のものとなったことを物語っている。